水滸伝について。
作者は施耐庵(し・たいあん)といわれますがはっきりしません。
明代に成立。同時代に成立した「西遊記」「三国志演義」「金瓶梅」と合わせて四大奇書と呼ばれます。

物語の舞台は宋代
北宋時代、実際にあった事件をベースに書かれています。登場人物の一部は実在の人物がモデルになっています。

それぞれ事情は違いますが、まっとうな生活が出来なくなった人間が、合計108人、家族や兵たちを合わせれば、それ以上。
梁山泊という自然の要塞に居を構え、自分たちの生活を守るために戦うのです(だいぶはしょって説明しております)。

日本では、いまいちマイナーな感のぬぐえない水滸伝であります。
日本三大随筆にたとえれば、枕草子、徒然草までは出てきても、なかなか思い出してもらえない方丈記みたいなものですか(偏見?)。

西遊記みたいに、すかーっと強い英雄が皆を助けてくれる物語ではありません。
いても、途中でいなくなったりします(な、公孫勝)。
善意でどうしても片付けられない善意の表し方なんかもあります(な、李逵)。
読んでいる側にストレスが残るだけのような展開も幾つもあったりします。
でも、それを含めてもじゅうぶん私たちを引き付ける魅力を持っています。
水滸伝に登場する好漢たちは。

おっちょこちょいだったり、後先考えなかったり、流されたりしても、やっぱり仲間思いで、強くて、時には残酷なくらい賢くて、また美しかったり、熱かったり、パワフルだったりするのです。
そんな彼らが、大好きです。
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